感想
- タイトルがまず良い。『嫌われ松子の一生』好きだった。
- コンセプトも良い。「めだたし、めでたし」のそのあと、その「めでたし」の恋愛がおわってしまったそのあとの物語。
- 転生召喚システム、いやグロテスクよなって思っていたら、「国のためにという名目で人ひとりの人生奪うのはシステムとして違うよね」って明言されていて、そういうところも良いね。
- とはいえ、本編は個人的には好みではなかった。健気で可哀想な彼が理解を得て報われていくところ、とくに誤解が誤解であり、無理解が無理解であり、理不尽が理不尽であると「通じる」ところは、心が緩んで涙腺も緩むのだけど、それでも「いやいやいや」って、言いたくはなるよ。
- 一転して「電子おまけ」の短編である。これは大変に好みだった。私はむしろこの短い話のためにこそこの作品は存在していたのでは?! と思うぐらい、ここが肝だと思うんだけど、これが限定おまけって、マジなのか……これはぜひ電子で買われて欲しいな……
嫌われ神子の8年間 (Ruby collection)