感想
- この作品に限らないが、未散ソノオの「強さ」の定義は、誠実で厳しい。削ぎ落とされたような差し迫ったストイックさが必要とされてしまっている感じがする。でもそれは本当にそうで、現代日本社会では「弱い」ものとして扱われるようなそれが、実際はいかに強靭なものであるかをちゃんと描いてくれるんだなぁ……みたいなよろこびがある。ないことにされていないよろこび。
- 悲しいとか寂しいとか、もうどうにもならないことはあるけど、「自分が悪い」「自分の罪である」ことがのしかかってくるというのは、本当に苦しいこと。ただ悲しみを感じることすら難しく、できなくなってしまったりするし、罰してもらえなければ(もらえたとしても)出口がない。犯した罪なら向き合わないといけないけど、罪ではないのに罪と感じてしまっているのでは、向き合う対象すら存在しえないのだから、道がないもんな。
- ところでみーちゃんにつきましては、私は筋肉が好きですので、トレーニング大歓迎でございますよ。
- それにしても趣深いのが、先輩であるよ。先輩が好きだよ……!
- 今作の先輩とか、『どうしようもない僕の運命の恋』におけるヤトさんとか、そういう、常であればスポットライトが当たることなく、語られることもなく、抱えきれない大きなつかえがわずかも解かれることなく放置されていただろうキャラの立場と心情が語られるというのは、これは「包括」なのよな。きょうだいじとかヤングケアラーとか、そういう、見向きもされてこなかった存在を、ちゃんと見てますよ無視しませんよ、という姿勢。
僕のミーちゃん (CHARA コミックス)